借地上の建物を相続。更地返還はどこまで必要?

2026.08.07

お母さまが亡くなり、借地上の建物を引き継いだ方から、建物の解体と補助金についてご相談がありました。

ご相談いただいた時点では、すでに地主さんと「建物を解体し、更地にして返す」という内容の解約合意書を取り交わしていました。そのため、ほかの方法を検討しにくい状態からのスタートでした。

「原状回復」がどこまでを指すのか、認識に違いがあった

問題になったのは、どの状態まで戻せば「原状回復」になるのかという点です。

借地契約書は簡易な内容で、原状回復の具体的な範囲までは明記されていませんでした。また、建物を取得した時点ですでに存在していたブロック塀や盛り土について、誰が設置したものなのか、返還時に誰が撤去するのかも明確ではありませんでした。

地主さんは、建物だけでなくブロック塀や盛り土も撤去し、土地をまっさらな状態にすることを求めました。

こちらから返還範囲を明確にするための話し合いを試みましたが、相談者さんは「これ以上揉めたくない」という意向で、地主さんの求める条件に沿って進めることになりました。

補助金も、建物の構造によって利用できない結果に

今回の相談では、解体費用を抑えるために補助制度の利用も検討しました。

建物は、もとの木造部分に増築や改修が重ねられており、裏側には鉄製の外階段がありました。

現地を確認すると、その階段は単独で自立しているのではなく、建物の構造を支える形になっていました。そのため、補助制度の対象条件に合わず、利用できないことが分かりました。

さらに、撤去範囲の拡大や追加工事も重なり、当初の想定より費用負担が大きくなる見込みとなりました。

返すと決める前に、選択肢を整理してください

借地上の建物を手放す方法は、更地にして返還することだけとは限りません。

契約内容や建物の状態によっては、返還条件を地主さんと話し合うことや、借地権付き建物として売却する可能性を検討できる場合があります。

ただし、一度解約合意書を取り交わすと、その後に条件を変更することが難しくなる可能性があります。

地主さんとの話し合い、解約合意書への署名、解体業者への依頼を進める前に、契約書や建物の状態を確認し、どのような選択肢があるのかを整理することが大切です。

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