| 相続した家や空き家を「そろそろ売りたい」と思ったとき、多くの方がまず気にするのは売却価格です。しかし実際には、建物の状態・道路の種類・残置物の量・解体後に何が出てくるかによって、思わぬコストが発生したり、売却そのものが止まってしまうことがあります。この記事では、西成区周辺で15年以上、複雑な不動産案件に向き合ってきたREKが、解体・残置物に関して「知っておくべき基礎知識」と「現場で見てきたリアルな失敗事例」をまとめてお伝えします。 |
相続した家を売ろうと不動産会社に連絡したとき、意外と多いのが「まず解体が必要です」「現状では値段がつきません」という言葉です。
なぜそうなるのか。主な理由は大きく2つあります。
長年放置された物件は、雨漏りによる天井・壁の腐食、基礎のひび割れ、シロアリ被害など、さまざまなダメージを抱えています。こうした状態の建物は「現状渡し」でも大幅な値引きを求められるか、買い手自体がなかなか現れません。
特に「特定空家」に指定されてしまうと、固定資産税の優遇措置が外れ、行政から解体を命令されるリスクもあります。売却を考えるなら、指定される前に動くことが重要です。
| 西成区周辺でよく見られるケース 築50年以上の木造長屋で雨漏りが進行しており、内覧した買い手が全員辞退。 解体費用を売主が負担して更地にして初めて成約できた事例が複数あります。 |
あまり知られていませんが、道路には「建替えができる道路」と「建替えができない道路」があります。建築基準法上の道路(幅員4m以上の道路など)に接していない敷地は、原則として新たに建物を建てることができません。これを「再建築不可」と呼びます。
| 道路の種類 | 特徴と売却への影響 |
| 建築基準法上の道路(4m以上) | 新築・建替えが可能。通常の不動産取引ができる |
| 2項道路(みなし道路) | 現状4m未満でも将来的に後退(セットバック)することで建替え可能 |
| 再建築不可(接道なし等) | 建物を建替えられないため通常価格より大幅に安くなる。買い手も限られる |
| 私道・位置指定道路 | 所有関係・管理状況の確認が必要。共有者がいる場合は同意が必要なことも |
「この道路で本当に建替えできるの?」という疑問は、売り出し前に必ず確認してください。再建築不可であることが後から判明すると、買い手との交渉が白紙に戻ることがあります。
※ 道路の種類は市区町村の建築指導課や、不動産コンサルタントに確認することで把握できます。
解体するか・しないか、残置物をどうするか——これらは「なんとなく」決めるのではなく、敷地条件・費用対効果・売却方法を整理した上で判断する必要があります。
| この記事で分かること 解体が必要なケース・不要なケースの見分け方残置物を誰が・いつ・どの方法で片付けるかで費用が大きく変わることREKが実際に見てきた「やってしまった失敗3つ」と正しい対処法売却前に確認すべき6つのステップ |
| 構造・条件 | 費用の目安 |
| 木造一戸建て(30坪程度) | 約90〜150万円(坪3〜5万円) |
| 鉄骨造(30坪程度) | 約150〜210万円(坪5〜7万円) |
| 長屋・連棟(切り離し含む) | 切り離し費用が別途15〜50万円加算 |
| アスベスト除去が必要な場合 | 除去費用が数十万〜数百万円追加 |
| 地中埋設物が出た場合 | 撤去費用が数十万〜想定外の高額になるリスク |
| 方法 | 費用の目安・特徴 |
| 自分で処分 | 数万円〜。量が少ない・時間がある場合向き |
| 不用品回収業者に依頼 | 5〜30万円。量が多い・急ぎの場合向き。業者の選定で費用が大きく変わる |
| 解体業者に込みで依頼 | 便利だが割高になるケースも。見積もり時に残置物撤去費を別途確認 |
| 現状渡し(買取業者) | 残置物ありで売却。0円で手放せるが売却額は下がる |
ここからは、REKが実際に相談を受けた案件の中から「知っていれば防げた失敗」を3つご紹介します。
いずれも、事前に相談いただいていれば結果が変わっていたケースです。
| 失敗① 解体・不用品回収の相場が分からず、高額請求されてしまった 相続した実家を売りに出す前に、「自分で業者を探して残置物を片付けよう」と動かれた方がいました。インターネットで見つけた回収業者に依頼したところ、現地を確認した後に「予想以上の量がある」と言われ、見積もり時の数倍にあたる高額請求が発生。泣く泣く支払ったものの、後から「不動産会社経由で依頼すれば相場の範囲で収まっていた」と分かり、非常に悔やんでおられました。 残置物の回収・解体業者の費用相場は、一般の方が判断するのは難しいのが実情です。特に悪質な業者の場合、「追加費用」として後から請求するケースが後を絶ちません。 ▶ REKの対応:不動産会社や専門家に相談した上で、複数の業者に見積もりを取ることが基本です。REKでは信頼できる業者をご紹介できるほか、見積もり内容の確認もサポートします。 |
| 失敗② 解体後に「土地が狭すぎて利活用できない」と判明した 「古い建物だから解体して更地にすれば売れるだろう」という判断で解体を進めた方がいました。ところが解体後に残った土地は間口が非常に狭く、新築の建物を建てるには面積も形状も条件を満たさない状態に。更地にしたことで固定資産税の優遇(住宅用地特例)も外れてしまい、解体費用の負担+税額アップという二重のダメージを受けてしまいました。 「解体=価値が上がる」は必ずしも正しくありません。土地の面積・形状・間口によっては、建物を残したまま売却するほうが高値がつくケースがあります。 ▶ REKの対応:REKでは売却前に「解体する場合」と「現状渡しの場合」それぞれの売却シミュレーションをご提示します。解体の判断はシミュレーションで比較してから行うことを強くお勧めします。 |
| 失敗③ 解体後に地中からレンガや共有下水管が出てきた 解体工事が終わったあと、地面を均す作業中に大量のレンガが地中から出てきた事例があります。旧建物の基礎の一部が埋まっていたもので、撤去に追加費用が発生しました。さらに別の案件では、解体した敷地の地中に、隣地と共有している古い下水管が通っていることが発覚。その処理のために隣地所有者との協議が必要になり、売却が数ヶ月単位で遅延しました。 このような「地中埋設物」は、解体前には確認できないことも多く、発生してしまうと想定外のコストと時間のロスにつながります。特に大阪の旧市街地は、古い建物が密集していたエリアが多く、地中に予期せぬ構造物が残っているリスクが高い傾向にあります。 ▶ REKの対応:解体前に地中埋設物リスクを考慮した上で、「解体後売却」「現状渡し売却」「埋設物リスクを価格に織り込んだ売却」のどれが最適かをシミュレーションしてご提案します。全コストを見越した売却計画が、最終的な手残りを守ります。 |


上記の失敗を防ぐために、売却前に専門家と一緒に確認しておきたいポイントをまとめます。
| 確認項目 | 内容・注意点 |
| 道路種別の確認 | 接道する道路が「建築基準法上の道路」かどうかを建築指導課や不動産会社で確認 |
| アスベスト調査 | 1981年(昭和56年)以前の建物は事前調査が義務。調査費・除去費が別途発生するため早期に確認 |
| 補助金・助成金 | 大阪市の老朽空き家除却補助金など、活用できる制度がある場合は解体前に申請が必要 |
| 隣地への影響確認 | 長屋・連棟の切り離し解体は隣接所有者の同意が必要。事前に関係者と調整する |
| 相続人全員の合意 | 解体・売却は相続人全員の同意が必要。一人でも反対があると手続きが止まる |
| 地中埋設物リスク評価 | 古地図・公図・近隣への聞き込みで事前に埋設物の可能性を把握しておく |
最後に、解体・残置物を含む売却の正しい進め方を6ステップで整理します。
| STEP1 | 現状確認(建物・道路・残置物・地中埋設物リスク)建物の状態、接道する道路の種別、残置物の量を把握。地中に埋設物がある可能性がないかも事前に確認する。 |
| STEP2 | 補助金・助成金の確認大阪市の老朽空き家除却補助金など、使える制度がないか先に確認。解体後では申請できない場合があるため必ず事前確認。 |
| STEP3 | 「解体後売却」か「現状渡し売却」かを比較シミュレーション解体費用・残置物撤去費用・税金・売却価格の変化を試算し、手残りが多い方法を選ぶ。 |
| STEP4 | 残置物の処分方法を決める解体業者と同時依頼か、別業者に依頼するかを比較。必ず複数社から見積もりを取る。 |
| STEP5 | 相続人全員の合意を取る解体・売却のいずれも相続人全員の同意が法的に必要。事前に意向の確認と書面化を進める。 |
| STEP6 | 業者に見積もりを複数社依頼して比較解体業者・不用品回収業者それぞれ2〜3社から見積もりを取得。信頼できる業者の紹介が必要な場合はREKにご相談を。 |
| 解体・残置物の判断に迷ったら、まずREKへ 「解体すべきか・現状渡しにすべきか」「残置物はどうすれば費用が抑えられるか」—— これらは物件の状態・道路の種別・地中リスク・売却目的によって最適解が変わります。 REKでは初回60分の無料相談で、あなたのケースに合った売却シミュレーションをご提示します。 「他社に断られた」「複雑な状況で誰に相談すればいいか分からない」という方も、お気軽にご連絡ください。 📞 06-6652-1660 / LINEでも相談受付中 受付時間:10:00〜18:00(日・祝日除く) |
執筆:公認 不動産コンサルティングマスター 木村 展久(株式会社REK)
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